リキシャーマン (インド)
オートリキシャーが好きだ。
風に吹かれて、細道でも、裏道でも、スーイスイ。
高速道路の逆走だってお手のもの。
かつて会社の後輩はよく言った。
「お願いですから、社用車に乗って帰って下さい。夜のオートリキシャーは危険です!」
「君、なんにも分かっていませんな!インドでリキシャに乗らないバカがどこにいる!」
二十歳の時、旅行者だった私は、リキシャーマンと値段交渉し、値段を負けさせるのが喜びだった。しかし、当時は彼らの顔をまじめに見ていなかったように思う。
あれから二十年も経って、ようやく彼らの顔を見ることができるようになった。100ルピーを要求されて、200ルピー渡すことの喜びを知った。
金への執着から解放されると、旅はもっと生き生きとしてくる・・・
リキシャーマンは今日も行く!
「いいとこありまっせ!」
「ひたむきさ」
「自尊心」
「光源氏のメンバーに似た男」
「逃走しようとする小生に、バカ野郎、コノ野郎、テメーと怒鳴りつける男」
「美少年」