I WANT TO SPEAK ENGLISH ! 和製英語でなにが悪い!

笑福天「今日は日本からの出張者をお出迎えだね」

亀丸「出張者と言うか、玉木社長だよ」

笑福天「もしかしてプーケット島でオカマを買って、ロスの空港で迷子に

なった人?」

亀丸「そうだよ」

笑福天「日本人でもスケールの大きい人がいるもんだなあ。グローバル人材

っていうのは、こういう人のことなんだろうなあ」

亀丸「ほら、さっそく空港から出て来たぞ。玉虫色のスーツケースを

引っ張っているデブのおじさんだよ」

笑福天「見たからに紳士然としているなあ」

亀丸「だけど、前回ロンドンに来た時だって大変だったんだから」

笑福天「どうしたの?」

亀丸「ホテルにチェックインした後、スーツケースの鍵が開かなくてさあ。

結局、電動ノコギリでスーツケースをぶち壊したんだけど、社長は

『しまった!』と言って顔を青ざめたんだ」

笑福天「どうしちゃったの?」

亀丸「空港の荷物受取場で他人のスーツケースをピックアップしちゃった

んだって」

笑福天「おめでたい人だなあ」

亀丸「社長は同じメーカーのものだから間違ったと弁解してたけど、

後で確認したら、案の定ちがうスーツケースだったけどな」

玉木社長「わざわざ迎えに来てもらって申し訳ありませんね」

亀丸「今日は事務所で新しい現地スタッフを紹介させて頂きます。

若くて優秀な女性スタッフが入社しましたので」

玉木社長「それは楽しみだ」

亀丸「社長、こちらが新人のジェニファーさんです」

ジェニファー「ハロー、タマキンさん。ロンドンにようこそ。フライトは

どうでした?」

玉木社長「私はシンガポールでカンタスに乗り換えました。私はね、

カンタスがとても好きなんですよ」

笑福天「うわ~やっちまった。コンタスって発音しなきゃあ。カンタスって

言ったら、女のアソコを意味するカントっていう名詞の派生語だよ」

亀丸「初対面でこんなことになるなら、ジェニファーに前もって教えておくべき

だったなあ。こいつ変態じゃないかって目で、タマキンさんのこと見て

いるよ・・・」

玉木社長「オーストラリア人の体格は大きいから、カンタスも大きいの

でしょう。しかもカンタスは安全だし、サービスもいい。最高ですよ。

あなたもカンタスが好きなんでしょ?よく使ってるの?」

笑福天「参っちゃうなー。亀ちゃん、話の流れを変えてあげなよ」

亀丸「よっしゃ!社長、機内は混んでたでしょう?」

玉木社長「それが奥の方はスカスカでしてね」

笑福天「頼むから、もう止めてよ!」

玉木社長「せっかくですからもう少し・・・無論、周りには誰もいません

から、毛布被ってやりたい放題でしたよ。途中、大分揺れましたが、

その後ぐっすり眠って、お蔭さまで気が付いたらシドニーでした」

笑福天「バカヤロー」

亀丸「笑ちゃん、そんなにカッカ、カッカするなって。社長がカンタスの意味

を知らないのも無理はないんだよ。カンタス航空の日本人乗組員だって、

『本日はカンタスをご利用頂き、いつもカンタスをお選び頂き、カンタスで

再びお会いできることを楽しみに・・・』って機内で連呼しているんだから」

笑福天「ネイティブの人が誰か教えてあげないのかなあ?」

亀丸「今更だろう・・・これで社名をコンタスに変えたら、なんでだ?

なんでだ?って余計大騒ぎになっちゃうだろ?」

笑福天「とにかく英語で名前を付ける時は要注意だってことだね」