私の上司は中国人
私の上司は30代中盤くらいの眼鏡をかけた中国人。
顔は道頓堀のくいだおれ太郎に似ている。
英語が非常に流暢なので、すくなくともオーストラリアの大学を
卒業しているに違いない。あるいは移民二世か三世で
こちら育ちかもしれない。
営業取締役だけあり、頭の回転は速く、論理的かつ弁も立つが、
くいだおれ太郎の見た目の割には、冷酷・クールで、人情味が
ほとんど感じられない。
私は年下の太郎に「売上が小さすぎる!」なんて言われると、
すぐに解雇されるのではないかと心臓が今にも飛出さんばかり。
(実際に、ノルマが厳しく、彼が解雇する者、自ら去るものは
後を絶たない)
しかし私は、「彼とは1週間に一度2時間会うきりだし、日系企業の
上役さんみたいにネチネチ・だらだらのお説教もないし、
残業もゼロ、というかマイナスだし、最高の仕事じゃないか」
と思い直して、営業活動に邁進することにする。
それにしても、今から数年前、日本に住み、日本に住んでいた頃には、
自分の上司が中国人になるとは想像すらしなかった。しかし一歩、
日本の外に出れば日の目を見る中国人がいかに多いかを知らされる。
アメリカでも、カナダでも、東南アジアでも・・・
シドニーでも中国人の大富豪が如何に多いことか。
シドニーでは、一番お金を持っているのはオーストラリア人でも、
欧米人でも、ユダヤ系でも、もちろん日本人でもなく、中国人だという
共通認識が出来上がっている。
中国人の上司なんて嫌だ、なんて思っていたら、良くも悪くもグローバル
時代をサバイブすることはできないだろう。と言うか、好みに関わらず
中国人に使える時代が到来しているのかも知れない。
シドニーの中華街