【海外で働く!就活日記】急展開を見せる

最終的に4ヶ月にわたって100社を超える企業に履歴書を送ったが、

これといった進展はなかった。世界的に知名度のある食品会社からは

(1次面接前にふるいにかける電話がかかってきたが)運転中だったため

すぐに折り返したものの、先方(オーストラリア人の女性)は会議中。

彼女は「折り返し電話します」と言ったものの、二度と掛かってくることは

なかった。

あるいはアパレル企業からも電話面接したいと言われたものの、同じ日に

日系企業の最終面接(結局は落ちた)があり、こちらから断らざるを

得なかった。

また、変わったところでは、シドニーに拠点のあるIT企業から電話がかかって

きたが、その企業の人材採用担当者はアイルランド在であり、グローバルな

規模でビジネスが動いていることを感じさせられた。結局、その担当者と電話で

話をしたものの、先方は日本語のできる若い(ジュニア)人材を探しているとの

こと。要するに給与条件が合わなかったため、進展はなかった。

 

「ああ、どれだけやってもダメか!」私は異国での就職活動に絶望的になり、

諦めモードに入っていた。

と、そんな時、潮の流れは変わった。(就職活動というもの、どんなに停滞して

いても、潮の流れが一気に変わるのが不思議である)

 

月曜日の朝イギリス人のクリス(仮名)からメールがあった。

クリスはリクルートエージェンシー(人材紹介所)の担当者で、日本語のできる

人材を探しているあるオーストラリア企業のために営業職の人材を募集していた。

(海外での人材採用の場合、企業が直接ネットなどで採用活動をしている場合も

あれば、リクルートエージェンシー(人材紹介所)が介在していることもある)

 

クリスには2日前に履歴書を送っていたが、「まだこのポジションに興味が

あるか?就労ビザと運転免許は持っているか?」という彼のメールに対して返信

すると、1時間後には携帯に電話が入った。

そして簡単に過去の職歴などを聞かれ、先方の求める営業の仕事ができるかどうか

質問されたのだが、再び1時間後に電話が入り、「2日後の水曜日に先方との一

次面接が取れた」という連絡を受けた。

 

もちろん、バイリンガルとの電話面接にはビビるものであるが、少なくとも彼の

ようなリクルートエージェンシーの場合は、企業に人を押し込み、コミッションを

もらうことが仕事なので、基本的に私の語学力を品定めしているふしはなかった。

(と言うよりも、リクルートエージェンシーは私に一度も会っていないのに、

求人先の企業に私を推薦して、一次面接の機会を取りつけている)

 

オーストラリアでもアメリカでも石を投げれば移民に当たるが、エイジェンシーは

日々多くの移民に仕事を斡旋している訳であり、最低限の語学力があればなんとか

なることを知ったのだった。