現代の海外越境者たち(ヒッピー⇒バックパッカー⇒キャリアビルダーの時代)
グローバル化の時代と呼ばれて久しいが、国から国へ移動するクレオールな
越境者が身近に存在するようになってきた。
たとえば、私の身の周りでも・・・
日本人A君、豪州駐在⇒日本で転職⇒米国へ駐在
仏国人B嬢、フランス勤務⇒豪州の会社に転職⇒パートナーとイギリスへ引っ越し
豪州人C君、豪州からアイルランドへ駐在⇒豪州に戻って転職⇒イギリスへ転職
昨今では日本の企業の海外要員が、1つの会社に勤務しながら定年までに数か国
を駐在するというケースはある。しかし上述のケースは、「転職しながら」
新天地と好条件の仕事を求めて複数国・企業を飛び回っているのが特徴である。
(皆30代で、ある程度キャリアを積み、軽いフットワークを残している
世代であることでも共通している)
このような事例は、一部のプロサッカー選手の話ではなく、今や多くの
一般人にも見られるようになった。
特に西洋では一度勤務した経験・スキルを売り込みながら、転職していくのが
当たりまえだから、ある程度英語ができれば、上記のような「冒険」も可能に
なるのだ。
ただし、それには英語力の他に、どうやって異国で長期間働くビザを得るかが
課題である。
日本の企業に就職して海外駐在を目指すのか?日本の外資系企業にまずは就職
するのか?ワーホリから始めるのか?外人と結婚するのか?ビジネスコンサル
タントに当たる?などなど・・・
ここオーストラリアでは、たくさんの中国人やタイ人やベトナム人やインド人
などが永住権を取って暮らしているけれど、日本人と同様、彼らにとっても
永住権の取得は容易でないのは明からだ。しかし、異国での生活を実現する
ため、人それぞれ違うやり方でそれを取得しているのもまた事実。
旅人の新しい形としてのキャリア・ビルダー。さながら現代は、ヒッピーから
移行したバックパッカーの時代が終焉し、キャリア・ビルダーの時代に進化
しているように思われる。今や世界は狭い。そしてものすごく速いスピードで
動いている。