できる人間のちょっとした気遣い

前回お話した関口宏(仮名)とテリー伊藤氏(仮名)のコンビのような「人間力」

は一朝一夕では身につかないが、社会人として今日からでも実践できるテクニック

に、人より一歩だけ先に行く「気遣い」がある。

 

別に頭が悪くても、創造力や企画力がなくとも、口下手であっても、ちょっとした

「気遣い」ができるかどうかが、絶望的なまでに他者との大きな違いを生み、

できる人間になる(すなわち人から信頼される)かどうかの境目となること

しばしばである。

 

あなたは「俺様には気遣いくらい存分にある!」と思っていながら、長期連中の

前夜に、得意先に「出し逃げ」メールをして帰路を急いだりしていないだろうか?

あるいは、上(役)ばかり見ているため、仕事を振りまくっている後輩たちから

「ヒラメ」と呼ばれていることに気付いているだろうか?

 

先日小生がお会いした、人の就職を世話するTさんは、私の面倒を見ても

ほとんど身銭にならないにも関わらず、素晴らしい気遣いを持っていた。

一例を挙げると、

①企業との面接に先立ち、その会社の「日本本社の会社概況」と「日本本社の

国際戦略レポート」と「現地法人の会社概況」をURLで送り、

「事前に研究しておいてください」と言う。 

 

②面接時間が変更になった際、メールで連絡してくれたが、

文末に「このメールを見たら、折り返しメールか電話でひと言お知らせ下さい」

とある。こんなことも、出し逃げ君にはなかなかできないことである。

 

③小生が面接で不採用になったことを告げる時も、「ある会社の幹部と会う機会が

あったので、さっそくあなたのことをご紹介しておきました」とポジティブな

コメントで勇気づけてくれる。

 

いずれも、ちょっとした手間暇をかければ誰でもできることであるが、これが

なかなかできないものだ。自分に付加価値を付け、他者との差別化を図るには

惜しみない努力が必要ということだろう。