東西文化事情

亀丸「今回は全員日本人だ。つまんねえなあ。日本人の英語を聞くためにわざわざ

ロンドンまで来てる訳じゃねえのに・・・」

笑福天「もしかしたら、日本人だけの方が勉強になるかもしれないよ。人のふり見て

我がふり直せって言うじゃない」

女教師「あら、今日はジャパニーズ・デイなのね。折角の機会だから、東西文化比較

と題して、フリー・ディカッションをしてみない?。西洋と日本にはどんな違いが

あるのかしら?」

亀丸「はい!日本ではパンツをベランダで干します」

女教師「そんなことして恥ずかしくないの?」

亀丸「伝統文化であるため恥ずかしくありません。ただし下着泥棒には気を付けなけ

ればなりません。私の95才になる痴呆症の祖母もパンツを盗まれました」

女教師「他には?」

亀丸「はい!日本の男はサングラスと金のネックレスを着けません」

女教師「着けたらどうなるのかしら?」

亀丸「私の場合は、両親から『お前はいつから極道になったんだ。この恥知らずめ!

お前なんか勘当だ。そんな恰好して二度と親の前に現れるな』と言われました」

女教師「あなたがロンドンに来た背景には、そういう悲しい事情があったのね。

ロンドンで思う存分、サングラスと金のネックレスを着けるのよ」

亀丸「ありがとうございます」

女教師「さっきから亀ちゃんばっかり、喋ってるわよ。ちえみの意見は?」

ちえみ「ないです」

女教師「ないですって言いながら、どうして手を振ってるの?もしかして、急用かな

にかでバイバイしなければならないの?どなたか親族の方がご危篤なら、遠慮しない

で早く家に帰ってあげてね」

ちえみ「I WORK JAPANESE ヤキニク RESTAURANT」

女教師「バーベキューレストランで働いているのね。あなたのバイト先のことなんか

誰も聞いていないのよ。もう少し勉強してから初級クラスに入ってくれる?」

ちえみ「どういたしまして」

女教師「こちらこそ。カナコは言いたいことある?」

カナコ「う~ん、日本にはラブホとコンドームの自販機があります」

女教師「羨ましいわ。幸子は?」

幸子「文学には国境はないと思います」

女教師「あら、知的な意見ね」

幸子「私、日本の小説が好きなんですけど、最近では村上春樹の『1Q84』に感動しました」

女教師「どんな内容か英語で言ってくれる?」

幸子「えっ!?・・・主人公はふたりいて・・・全部で4巻あって・・・あとは・・・えーと・・・」

女教師「フィクション?ノンフィクション?トラベル?ラブロマンス?ヒストリー?」

幸子「フィクションでラブロマンス・・・」

女教師「4巻あるフィクションのラブロマンスで主人公はふたり。とても面白そうな

ストーリーね。さすが世界中で話題の小説だわ。先生もいつか時間のある時にでも

読んでみるわね」

女教師「まだ喋っていないのは、ひろし?」

ひろし「SORRY!日本には温泉があります」

女教師「なにも言っていないうちから謝罪する必要はないのよ。西洋では説明責任が

あるから、謝罪の前にその理由を説明をしてくれる?」

ひろし「SORRY!」

女教師「もしかして、日本に温泉があることを謝罪しているのかな?そんなことで

誤る必要はないのよ。だけど、日本では裸になった大勢の男女が同じお風呂に入るん

でしょ?西洋人には考えられないわ」

ひろし「あなたにはふたつの誤りがあります。一点目、日本の温泉は基本的に男女別

浴です。二点目、西洋でも全裸の混浴は存在します。私はドイツの公共浴場に行った

ことがありますが、ドイツ人の老若男女はすべて全裸でした」

女教師「それでどうだったの?」

ひろし「サウナに1時間も入って、目を瞑ったふりをしながら、若い女の子を観察し

ていました」

女教師「あなたのご職業は?」

ひろし「普通のサラリーマンです」

女教師「日本の男性はそんな人ばっかりなの?」

ひろし「はい、その通りです。しかし、バンコクの売春婦を対象にしたアンケート調

査では、日本人は金払いが良い上に、あまり無茶を言わないため、抜群の評判を得て

います」

女教師「では、売春婦から評判の悪いのは何人なの?」

ひろし「印度人です」

女教師「理由は言わないでくれる?だいたい察しが付くわ。他には?」

ひろし「韓国人です」

女教師「本当なの?韓国は儒教の教えの国なんでしょ?」

ひろし「はい。韓国人の男性は酒が入ると性格が急変する場合があるみたいです」

女教師「その分、女性が我慢しているのかしら?」

ひろし「いいえ。女性の方がもっと大胆という噂です」

女教師「ピーナッツ・リーターン事件もあったしね」

ひろし「被告は、興奮のあまり飛行機が動き出していたとは知らなかったと主張しています」

女教師「そんなことってあり得るの?」

ひろし「大いにあり得ます。人間は誰しも興奮するとなにを仕出かすか分かりませ

ん。かつての私も給食で余ったコーヒー牛乳を手に入れられなかった時、ジャンケン

に勝った相手の顔面を殴り、目の下を陥没させたことがあります。大の飛行機嫌い

だった私の父親も、ソウル空港でマッコリを浴びるように飲み、飛行機に乗った瞬間

から大阪に到着するまで一切の記憶が飛んで助かったと喜んでいました」

女教師「やっぱりアジアの男ってよく理解できないわ」