【海外で働く!就活日記⑨】年収1千万円の夢

日本の新聞の求人広告欄を見ていると、派遣社員の募集ばかりで、年齢的に

正社員として引っ掛かりそうなところは皆無。仮に年齢的にセーフだとして

も収入面で条件に合わない。そんな中、ひとつ目を引く広告があった。

「年収1千万円。日本人現場労働者の通訳。経験者優遇。10名募集。

住居、食事支給。2年契約。当社費用持ちで半年に一回帰国可能」

「うん?赴任先はどこだ?」と思って、その先の記事を見ると、

「サウジアラビア」だった。

「なるほど・・・・」それならば、この好条件にも合点がいく。

 私が以前勤めていたメーカーでも、赴任先として一番キツイのがサウジと

言われていた。インドであれば、酒も飲めるし、エロ本も持ち込め、置屋も

あるが、サウジでは酒も女もタブーである。

無論、どんな国にも裏道はあるのだろうが、もしも秘密警察に捕まったら

どんな仕打ちが待っているのだろうか?そう考えただけでもインポにな

ること必至。さらにテロの危険だってあるだろう。

「では、なんの娯楽があるのだろう?ハリウッドの映画も見られそうにない

し、趣味の少ない私なぞ、現地人のサッカーチームに入ることもできなけれ

ば、日本人現場労働者と麻雀をすることもできない」

そう思ったところで、「私は初心貫徹し、どうしてもシドニーで就職を

実現しなければならない」と自分自身を鼓舞するのだった。

それにしても、世の中、色々な仕事があるものである。上記募集の10名

(サウジなのでおそらく男性採用のみだろう)は10月に出発とのこと。

英語が喋れて、アルコールも女も豚肉も不要で、サウジに2年間行きたい

人、どんな人々が応募するのか気になるところである。

このまま行くと、私もその中の一員に加わることになるのかも知れない

が・・・