スピリチュアル紀行◆世界最大の祭「クンブメーラ」前編
2013年1月14日から3月10日までの間、インド・アラハバートにて
世界最大の祭「クンブメーラ」が開催され、インド各地に数百万人いると言われるサドゥー(ヨガ行者)が終結していた。
基本周期は十二年に一回で、4つの聖地を3年毎に回っているが、中でもアラハバードはその規模において最大であった。ここには、ヒマラヤに源を発したガンジス河(ガンガー)とヤムナー河に加えて、神話上のサラスヴァティ河がひとつになる合流地点「サンガム」があり、ここで沐浴すれば最も霊験あらたかと言われている。
私は1月下旬にすでにここを訪れていたが、その後、もっとも神聖かつ重要であるのは2月10日の「主沐浴日」ということを知ったため、再びデリーから飛行機でアラハバートに飛んだ。
空港からオートリキシャーでガンジス河に向かったが、あまりの大渋滞のため、河の何キロも手前から歩くことにした。
この日を目掛けてインド各地からの巡礼者が続々と到着。
翌日の全国紙によると、「主沐浴日」には3000万人の巡礼者が集結。
ガンジス河に向かってひたすら歩く。
私はかつて一時にこんなに大勢の人を見たことがなかった。
田舎から来た人はテントを張り、長期間滞在している。
日が暮れてきたが、ガンジス河はまだ見えない。
オ~イ
やっと見えた。サドゥー者たちの宿営キャンプだ!!!
すでに日も暮れ、巡礼者に従い「サンガム」近くまで移動。
腹は減っているが、食べ物を持ち合わせていない。隣のインド人の団体をちらちらと見ていると、施しを与えてくれた。ナマステ!無論、トイレだってない。女は我慢しているのだろうか、と思っていたら、サリーをずり下ろして野糞するおばさんを発見。すごい!
都会ではあまり見かけない風情。
線香を焚いたり。祈ったり。
突然、目の前に現れた男は、天空を指さしながら、マントラ(真言)を唱え始めた。
凍えるように寒い。しかしインド人は忍耐強いことこの上ない。夜通し半裸の男もいる。
夜が更ければ更けるほど人は増える。
寝場所もないほど。
私はインド人の毛布の間に挟まり暖を取った。しかしあまりにも寒いので立って地団太を踏むことに。
夜中を過ぎでも、ガンジス河で沐浴する人は後を絶たない。
私も凍てつくガンガーに潜った。水の味は塩辛かった。川面に顔を上げると、老女が喜悦の表情で水を掬って飲んでいる。
日の出前に始まるサドゥーの大パレードまであと数時間・・・徹夜で待つことにする
(後編へ続く)