中国人ってどういう人?

 我々は国民を一括りで語りたがるものである。

「中国人って、こうだよね」

「日本人って、こうだよね」

「韓国人って、こうだよね」

2013年6月にダライラマ14世の公開討論会がシドニーで開催されたが、その帰り際、中国人の反ダライラマ団体(数十名)が、街頭で彼に対して抗議声明「チベットは中国の領土であり、ダライラマ14世は国家反逆行為をしているといった主張」を声高々に上げていた。

その日のダライラマの講演は他人に対する慈悲や平和の大切さを説く感動的なものであったこともあり、帰路を急ぐおそらく千人以上もの観客(ほとんどはオーストラリア人)は、そんな光景を見て見ぬ振りをしていた。

(少なくとも私は、たった今、ダライラマ14世からもらったブレッシングを、怒りや憎悪に変えてしまいたくないと思っていた)

 

その日の観客にとって、「この数十名の団体の声明が中国人12億人全体の考え方を代表しているのではないか?」と想像するのは難くない。私もそう思った。

ところが、その後、私はそのような自分の味方が平板であることを知った。

私はこの講演会でシドニーにチベット僧院があることを知り、日曜日に行われるメディーテーションに通い始めるようになるが、そこにはオージーやチベット人だけでなく、何人もの中国人がいた。

 おそらく初めてひとりでここに来る中国人はとても勇気がいることだと思う。実際、彼らはこの僧院で明らかに肩身の狭い思いをしているように見受けられる。しかし仏教の信仰を通じて、ここに足を運んでくるのだ。そして、チベット人のリンポチェ(高僧)をはじめ、チベット人は彼らを温かく受けて入れている。

 

今日はインドネシアで日中首脳会談があるらしい。どんなものになるのだろうか?