世界珍道中

イスラムの国でもアルコールをせがむニッポンのオヤジ

ある家電製品がリコールとなり、すでに世界中に流れていた 当該製品を各国で修理・再生するプロジェクトが発足した。 「君、どこの国でもいいだろ?」私の上司が言った。 「はい。非常事態ですから」 「じゃあ、中近東でもいいか?」 「ウゲッ!まじっすか?…

六本木のガイジンキラー

ところはオーストラリア。 私が職場でパソコンに向かって仕事をしていると、ブライアンがやってきた。 「ちょっといい?相談があるんだけど・・・」 「そんな顔して、どうしたんだよ」 ラグビー選手のような大きな体格にも関わらず、金髪でブルーアイのブラ…

ホテルパラゴン

世界の奥地はともかく、大都会で汚い安宿と言えば、インド・コルカタにある ホテルパラゴンが著明度と汚さの点で際立っているだろう。 コルカタはかつてはカルカッタと呼ばれ、「世界で最もダーティーな街」との 汚名を与えられるほど、インドの数ある大都市…

タイの熱い夜

長らくパタヤに滞在し、いよいよ翌朝バンコクに戻ることになった日の夕方。 「パタヤ最後の夜にディスコにでも行こうよ」とマナが言った。 「いいよ」パタヤ滞在中、色々と世話になったマナに私はふたつ返事をしたが、 約束の夜9時に宿のフロントに行くと、…

あるタイ人の性モラル

バンコクのジメジメとした暑さに耐えかねた私は、海を求めてリゾート地として 有名なパタヤにやって来た。バスで3時間の近場であるが、長いビーチが続いて おり、南国特有の開放感が漂っている。 私は繁華街から少し離れた場所にある閑静な通りの一角にある…

ニューヨークのまっさん

大手日本企業の場合、現地法人のトップかNO2のポジションに日本人を 送り込むのが定石であるが、創業が古い年功序列型組織を抱えた企業の場合、 そのようなポジションにシニア(年配者)が当てられるのがほとんどだ。 ところが、定年が近い世代になればな…

香港の長い夜

香港。 そのネオンきらびやかな夜景は旅情を誘うが、ショッピングとグルメが 観光の目玉で、物価も高いため、バックパッカーがあまり寄り付かない場所 である。 多くのバックパッカーは香港に立ち寄ったとしても、そこで金をすり減らす ことを敬遠し、すぐに…

英語は度胸か?

現地校に通う日本人の小学低学年の子供が、(たった数年の学習だけで) 英語の映画や音楽が聞き取れるのに、大人になってからではそれが絶望的 に難しい。 私の見立てでは、たとえ外人と結婚しても、20代以降に英語圏で暮らし 始めた日本人がバイリンガル…

【世界珍道中】 男と女の機内ロマンス

飛行機の中でたまたま席が隣り合わせになったことでロマンスが生まれる・・・ そんなのお伽噺にちがいない、と人は思うかもしれない。 しかしそれがあるのが世の中の不思議である。 私の先輩H氏は、初めての海外旅行先となるタイに向けて飛行機に乗ったとこ…

モーホーを見抜く力 (ナニワのおじき)

こうして私は西はカリフォルニアから、東はアラビア半島の紅海 まで、世界中のモーホー諸氏と知己を得る機会を得た訳である が、この経験を通じてモーホーに対する見識眼が鍛えられたこと は言うまでもない。 昨今では、「聞く力」、「叱る力」、「諦める力…

インドのヒジュラ

叙事詩「ラーマーヤナ」の舞台として知られる南インドの有数 の聖地ラメシュワラムで、湾を周遊するボートに乗っている と、隣の席に若い男女のカップルが座った。 だが、この女の様子がどうもおかしい。パートナーの男の肩に 腕を回しながら、外人である私…

カリフォルニアの美青年

私はバンコクからエアコンの効きまくったワゴンバスに乗り、リゾート地 プーケット島にやって来た。しかし金をケチって、繁華街から離れたバン ガローに泊まっていたのが災いしたか、話相手が捕まらず、滞在三日目に して完全に退屈モードに入っていた。 そ…

イラン国営航空のパイロット

場所はインドの首都ニューデリー。 生まれて初めての海外旅行で、外国人と触れ合う機会に興奮冷めやらぬ 二十歳の私は、炎天下の中、「コンノートプレイス」というイギリスが 設計したオシャレな場所を歩いていた。 ここにはニューデリーの中心部でレストラ…

ヨルダン・ぺトラ遺跡

アラビアのロレンスに男のロマンを感じた私は、紅海に面するアカバにしばらく滞留していたが、ある時世界遺産のぺトラ遺跡に日帰り旅行に行くことにした。 すると、安宿の相部屋にいた中山君からお声が掛かった。 「お供してよろしいでしょうか?」 当時、彼…

シドニーの中国人

シドニーには中国人が多いので、街のあちこちに中華料理屋がある。 私のお気に入りは、郊外のフードコートにある手打ちヌードル屋。 中国人の旦那が麺打ちと料理を担当し、奥方がサポートをしている。 北京と名の付く店なので、彼らは北京出身なのだろう。 …