インド【ここだけの話】

インド本

インドに旅立つ前にインド本を読む。あるいはインド本を読んで インドに興味を持つようになった。それを読む理由は、人それぞれに 違いない。私の場合は、初めにインドに行きたいという願望があり、 インド本を読むことでその願望がさらに膨らみ、最終的にイ…

インドでビジネス(後編)魑魅魍魎の世界

部下のタルンが私の席に駆け込んできた。 「グプタ販促部長が僕と先輩サルタックのことを名指しにして、いつも二人で 同じ仕事をしているとマハジャン常務に苦言を呈したようです」 「どうしてそれを知ったんだい?」 「マハジャン常務がサルを個室に呼び出…

インドで働く(前編)

インドの会社組織が複雑なことといったらなかった。 どんな職場であれ、仕事がめくるめく細分化され、多層な階層が設けられて いる。今では法的に存在しないはずの(無数の)カーストが未だに会社組織に 根を張っているかのようだ。 私は自分の荷物の運搬も…

インドでビジネス

多くの企業にとって、インドは経済成長が著しいとは言え、依然として 未知の国である。とりわけ新規事業を起こす場合には、マーケットの特性や 動向を一から確認していかなければならない。 私は主要都市を巡回しながら、電気製品のユーザー、流通、競合状況…

インドの分業体制

インドはとにかく人が多い。どこに行っても人、人、人。 そして人が多い分、分業体制が徹底しており、仕事が細分化されている。 その様子はカースト制度を彷彿とさせる。 会社に行っても日本でのように何から何まで自分ひとりでこなす 必要はない。食堂には…

インド中産者階級の人々の暮らし

4代目ドライバーの仕事は正確で無駄がなかった。時間を厳守する上、 道をよく知っていた。もしも道に迷った場合には、すぐに車を止めて人に尋ね、 空き時間があればガソリンを満タンにしておくのが彼のスタイルだった。 運転だけでなく雑多な仕事も請け負っ…

インド市場の攻略!ワイルドさを取り戻せ!

インドに1週間滞在となれば、日本人出張者のうち8割程度が下痢などの 体調不良をきたす。高級ホテルに宿泊し、連日日本食を食べていても、 である。 なぜか?私の分析では、たぶんに精神的なものに起因している。 かつての私もそうだったが、生のインドに…

忘却症と企業コンプライアンスの両立について

自慢ではないが、私は忘れ物をすることが多い。 電車に傘を忘れたり、買ったばかりの本をレジで受け取るのを忘れることは 言うまでもなく、成田空港に向かったもののパスポートを自宅に忘れたり (実際パスポートは、自宅近くのセブンイレブンのコピー機の中…

インドのお抱え運転手「ミスター・スカイダブ」

外人相手のインド人私設ドライバーの月給は、八千ルピー(一万六千円) 程度であるが、低賃金の割りに肉体的に過酷な仕事である。 たとえば、朝八時に顧客を自宅前でピックアップした後、夜八時に彼が会社 から出てくるまで、ずっと会社の目の前で待機してい…

インドのお抱え運転手「ミスター・カルシン」

住環境が整うと同時に、専属の運転手が決まった。 初代のおしゃべり屋さんは、三日間張り切って仕事をしていたが、四日目の 朝以降、待てど暮らせど姿を現すことはなかった。 ロシア人のお姉さん方がいるという夜の店に連れて行くという彼の誘いに私が 応じ…

コルカタ旅情・カーリー寺院

コルカタの夜は、カルカッタと呼ばれていた昔と同じ夜だった。喧騒止まぬ夜。 安宿のベッドに身を横たえ、目を閉じ、耳を澄ましていると、室外のざわめきが ひしひしと身に迫ってくる。上階から聞こえる足音。隣室の扉の ドッタン、バッタン。突然、室内電話…

チェンナイ旅情

一度旅したことのある思い出の土地を時を隔てて再び訪れる味わいは、 初めての土地を旅する刺激的な味わいとは別のものである。 当時の街や人の姿や空気や臭いが遠い昔の自分の姿と重なって、郷愁と共に、 再び目の前に立ち上がるのだ。 あの時以来、私の人…

IT大国インドでインターネット接続

グルガオンの自宅でノートパソコンをネット回線につなぐことにした。 一人目の中年男は約束の時間に二時間遅れでやって来たが、あっという間に 壁工事を終えると「もうすぐ別の人間がお宅を伺いに来ます」と言い残して 帰ってしまった。 二人目の小僧はそれ…

ホテルパラゴン

世界の奥地はともかく、大都会で汚い安宿と言えば、インド・コルカタにある ホテルパラゴンが著明度と汚さの点で際立っているだろう。 コルカタはかつてはカルカッタと呼ばれ、「世界で最もダーティーな街」との 汚名を与えられるほど、インドの数ある大都市…

インドの水

日本では来客者にお茶を出すのが一般的だが、インドでは水は貴重品であり、 来客者に水を出すのがもてなしとなる。 現代のインドでは特に富裕者層であれば、ペットボトル(大型タンクもある) や浄水器(電気式からフィルター式まで多様)の水を飲むことが多…

インドの新人類より学ぶインドの現代社会

インドの受験戦争が過酷なことは知る人ぞ知るところであるが、インドの超難関 大学を卒業したばかりのタルンがかつて私の部下となった。生まれた時代と場所 さえ違えば、私がタルンの部下になるべきところだが、 そこは人生の不条理で ある。私はタルンと様…

インドでATMが故障した!

日曜日の夕方。スーパーで買い物をするため、市中のATMにバンキングカードを 入れて出金しようとすると、ガサガサと紙幣を数える音が一分以上も止まること なく、嫌な予感がした。 案の定、現金のみならず、バンキングカードがATMに吸い込まれたまま出て こ…

ヨガ行者と共にラッシーを頂くの巻

人生で一番おいしかった飲み物は?と問われれば、私はインド・グジャラート州 の田舎町で飲んだラッシーと答えるだろう。 ラッシーとは、ヨーグルをベースに、水や砂糖を混ぜた飲み物である。 バナナやマンゴーなど、フルーツを混ぜる場合もあるが、日本のイ…

水に関する基礎知識

我々は生まれてこの方、日々水を口にしている割に、水についてほとんど 知らないのではないだろうか? 海外に行くと、その土地の水が飲めるか?ということは大いに気になる ところであるが、まずは水の基礎知識について少々。 水は天からの恵みである。天か…

インドのTV

賃貸マンションに入り、リビングルームにTVが設置されている まではよかったものの、あまりに高い位置に設置されてあるの で、肩と首が凝ってしょうがない。 仕方なく、スポーツバーよろしく、立ち食いしたり、立ち飲みし ながら映画を見ていたが、自宅でこ…

インドに住む(グルガオン)

物件を見て回った際に、家のオーナーから明日にでも入居でき ると言われたが、結局3週間経って、ようやく新居に入居でき た。これでも、無茶な改修、家電製品の取替えなどを依頼しな かったせいか、早い入居だと言う。 集合マンションの11階の1104号室。そ…

インドの食事情

私の住んでいたグルガオン郊外のマンションから歩いて数分の所にショッピ ングモールがあったが、その中にある大型スーパーマーケットでは、食料品 や生活用品の他、輸入物のアルコール類、アイスクリーム、調味料、菓子な ど、日常生活に必要なものは何でも…

インドの下痢を徹底検証!

昨日、本ブログにアクセスしている人の解析データを覗いてみた。 すると、力車進と入力して「ブログトップ記事」に入ってきた人に次いで、 「インドで下痢した場合の対応」で検索し、本ブログに入ってくる人が多い ことが判明。 「バカ野郎!なんなんだブロ…

現代のインド

近年になってインドの経済成長が脚光を浴びるようになると、これまで先進 国がインドに対して植えつけた一面的なイメージを払拭しようという声が 識者の間から聞こえるようになってきた。 ---先進国の人間がインドに対して抱くイメージ--- 神秘の国インド。…

インドで結婚式に招待される

インド人の結婚式に対する気合いの入れ方は凄まじい。 私の住む高層アパートでも3日間連続で、夜中じゅうスピーカーから 演歌の大音響が流れ、不眠に悩まされたことがある。 1週間連ちゃんの場合もあるらしい。 昨日会ったばかりの営業補佐のジェナ君。 彼…

インド・アムリトサル紀行

インド人はターバンを巻いていると想像している人は多いのではないだろうか? しかし、基本的にターバンを巻くのはシーク教徒のみであり、彼らがインドの全人口に占める割合は二パーセント以下である。 シーク教のシークとは弟子のことで、信徒は千四百六十…

インドで下痢した場合の対応

インドに行く日本人が恐れるのは下痢。 しかも、インドの下痢は日本で罹るような生易しいものではない。 1度食らったら、1週間止まらないことはざらである。 下痢による要因は様々であるが、私が下痢に襲われた多くの日本人(特に出張者)を分析すると、以…

インド・アグラのタージマハール紀行

世界遺産タージマハルのある街アグラ。 ここはデリーやグルガオンから日帰り旅行も可能である。 日本から遊びに来た妹は、小生の運転手の車で朝8時にグルガオンを出発したが、渋滞に巻き込まれ帰ってきたのは夜9時を過ぎていた。 力車進「時間はかかっても…

インド・デリーのジャーマー・マスジット

●巨大なモスク・ジャマー・マスジット 日本からの出張者に、インドの混沌を見せ、冷や汗かかせようと悪巧み。ここに連れてくることにした。 「これがインドですか!すっ、すごい!!!」早くもビビる出張者。 すると、自称ガイドが現れた。 ガイド「200ル…

インド・デリーの赤い砦

ムガル帝国の赤い砦。デリー観光と言えばここ。 入場料:インド人=5ルピー、外国人=100ルピー 私はミャンマーとの国境に住んでいるインド人だと言い張り、 5ルピーで入場に成功